『想い出にかわる君 〜Memories Off〜』は、KIDが開発し2002年にドリームキャストおよびPlayStation 2向けに発売された恋愛アドベンチャーゲームです。Memories Offシリーズの第3作にあたり、前作『Memories Off 2nd』から1年後の夏を舞台に、大学生となった主人公・加賀正午と個性豊かなヒロインたちとの交流を描いています。物語の中心は学園ではなく喫茶店「cubic cafe」で展開され、シリーズ初の大学生活を題材とした作品となっています。

本作では、攻略ヒロインが7人とシリーズ最多であり、各ヒロインが2人1組の対になる構成が採用されています。True Story(音緒・カナタ編)に進むには、他のヒロインルートをすべてクリアする必要がある仕様となっており、シナリオ構造に戦略性が加えられています。また、男性キャラクターの登場比率が高く、女性ユーザーにも配慮された設計が特徴です。シリーズ初の試みとして、主人公以外のキャラクターはフルボイス仕様となっています。

キャラクターデザインは松尾ゆきひろと輿水隆之が担当し、音楽は阿保剛と林克洋が手掛けています。主題歌「リプレイマシン」は水樹奈々が歌唱し、エンディングテーマには清水愛や宮村優子による楽曲が採用されています。2008年にはPlayStation Portable版が発売され、2021年にはPlayStation 4およびNintendo Switch向けに中国語・日本語対応版がリリースされました。