『RPGツクール5』は、2002年8月8日にエンターブレインより発売されたPlayStation 2専用のRPG制作ツールです。本作はシリーズ初のフル3Dグラフィックを採用し、マップ・キャラクター・戦闘演出などがすべてポリゴンで構成されるようになりました。開発は『RPGツクール3』以前を手がけた空想科学が担当しています。
最大の特徴は、従来のイベントコマンド方式に代わり、スクリプトベースの制作システムが導入された点です。これにより、ダメージ計算式や魔法効果、演出処理などを細かくカスタマイズできるようになりました。一方で、制作難易度は大幅に上昇し、従来のツクールユーザーには習得のハードルが高い作品となっています。制作モードは「初級」「中級」「上級」の3段階から選択可能で、プリセットデータを活用することで初心者でもある程度の作品制作が可能です。
また、サンプルゲーム『fu-ma』が収録されており、職業や成長システム、演出などが『ドラゴンクエストVII』に酷似している点でも話題となりました。BGMは松尾早人氏が担当し、音楽面でも高い完成度を誇ります。ただし、ロード時間の長さや操作の複雑さ、プリセットデータの不具合など、技術的な課題も多く指摘されています。
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