『RED CARD(レッド・カード)』は、サッカーのルールを極限まで拡大解釈し、格闘技さながらのラフプレイを推奨する過激なサッカーアクションゲーム。2002年06月27日にミッドウェイ・ゲームズからプレイステーション2で発売されました。本作は、アメリカのミッドウェイ社が得意とする「NBA Jam」や「NFL Blitz」といったアーケードスポーツゲームの系譜に連なる作品です。プレイヤーは世界50カ国のナショナルチームから1つを選び、ワールドカップならぬ「世界征服モード」などを勝ち抜いていきます。一見するとリアルなグラフィックのサッカーゲームですが、試合開始のホイッスルと共にその狂気が明らかになります。
ゲームプレイの最大の特徴は、審判の存在を無視したかのような暴力的なアクションの数々です。通常のタックルやスライディングに加え、エネルギーを溜める「ターボゲージ」を消費することで、ドロップキックやショルダーチャージ、さらには飛び蹴りといった必殺技を繰り出すことができます。相手選手を物理的に吹き飛ばしてボールを奪い、キーパーごとゴールネットに叩き込むようなシュートを放つことが正攻法として認められています。もちろん審判は存在しますが、多少のラフプレイは黙認され、プレイヤー自身が審判をタックルで排除することすら可能な無法地帯がフィールド上に広がります。
本作の独自性は、この荒唐無稽なゲーム内容に対し、非常に真面目な実況・解説が組み合わされている点です。解説には、当時セリエAの中継などで知られた風間八宏氏を起用しており、選手たちが殴り合うカオスな状況下でも、冷静かつ的確な(あるいは状況に困惑した)コメントが流れます。リアルな挙動と派手なエフェクト、そして「サッカーであってサッカーではない」独特のドライブ感が融合し、スポーツマンシップを完全に放棄した爽快感を味わえるバカゲー(褒め言葉)として一部で熱狂的な支持を得ました。
本作は、「少林サッカー」のような超次元サッカーを自らの手で操作できる稀有なタイトルです。サッカーのルールを知っているからこそ笑える演出も多いため、本来のサッカー戦術を学ぶための解説書や、逆にエンターテインメントとして昇華されたサッカー映画を観ることで、本作の突き抜けた面白さをより深く理解することができます。













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