『ストリートゴルファー』は、整備された芝生の上で行われる紳士のスポーツという常識を覆し、大都会のど真ん中でフルスイングするゴルフアクションゲーム。2002年06月27日にディースリー・パブリッシャーからプレイステーション2で発売されました。その翌年、2003年09月25年には廉価版『SIMPLE2000シリーズ アルティメット Vol.12 ストリートゴルファー』も発売されています。「ゴルフの起源が羊飼いの遊びなら、現代人はアスファルトの上で遊ぶべき」という斜め上の発想から生まれた本作は、新宿のアルタ前や渋谷の交差点、上野動物園、果ては海ほたるの展望デッキといった実在する日本の名所をコースに見立て、通行人や車が行き交う中でカップインを目指すという、非日常的な光景を描き出します。
ゲームプレイは、ショットの方向や高さを決定してタイミングよくボタンを押すオーソドックスなゴルフゲームの操作系を踏襲していますが、攻略法は全く異なります。コースの大半がアスファルトやコンクリートであるため、ボールは強烈にバウンドし、転がり続けます。プレイヤーはこの特性を利用し、ビルの壁にボールを当てて反射させる「キャロムショット(壁反射)」や、階段の段差を利用したジャンプショットなど、ビリヤードのような幾何学的な計算とストリートならではのラフな戦術を駆使しなければなりません。グリーンだけは申し訳程度に芝生が敷かれていますが、そこに辿り着くまでには看板、電柱、パンダの檻といった無数の障害物が立ちはだかります。
本作の最大の特徴は、著名クリエイターの起用による独自の世界観です。キャラクターデザインには『バーチャファイター2』などで知られる寺田克也氏を、シナリオには放送作家の藤井青銅氏を迎え、濃密でアクの強いキャラクターたちがシュールな物語を展開します。ハスラーや貴族といった個性的なゴルファーたちが、真面目な顔をして街中でクラブを振り回す姿は、バカゲーとしての突き抜けたエネルギーに満ちており、単なるスポーツゲームの枠に収まらないエンターテインメント作品となっています。
本作のキャラクターデザインを担当した寺田克也氏は、その圧倒的な画力と独特のタッチで「ラクガキング」の異名を持つイラストレーターです。本作でも見られる、筋肉の陰影や表情の深みが印象的なビジュアルは、海外のアメコミファンからも高い評価を受けています。ゲームの世界観に彩りを添える氏のアートワークをもっと堪能したい方は、多数出版されている画集を手に取ることで、その線の魔力に触れることができます。













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