『ソルトレーク2002』は、雪と氷に覆われた白銀の世界で、0.01秒を削るアスリートたちの極限の戦いを再現した、IOC(国際オリンピック委員会)公式のウィンタースポーツ・シミュレーション。2002年2月28日にアイドス・インタラクティブからPlayStation 2で発売され、同年に開催されたソルトレークシティオリンピックの熱気を、リアルなグラフィックと硬派な操作性で家庭用ゲーム機に持ち込んだ公認ソフトとして展開されました。

本作は、実際のオリンピック会場を忠実に再現したコースで、金メダルを目指して世界16カ国の代表選手と競い合います。収録されている競技は、「男子アルペンスキー滑降」「女子回転」「スキージャンプ(K120個人)」「スノーボード(パラレル大回転)」「ボブスレー(男子2人乗り)」「フリースタイルスキー(女子エアリアル)」の全6種目です。開発はイギリスのAttention to Detail(ATD)が担当しており、選手のウェアの質感や雪面の照り返し、そして高速滑走時の風切り音など、洋ゲー特有のフォトリアルな表現が臨場感を高めています。

ゲームプレイにおいては、単なる連打やタイミング押しだけでなく、シミュレーター的な繊細な操作が要求されます。例えばアルペンスキーでは、理想的なライン取り(レコードライン)を外れると大幅にタイムロスするため、コース形状を完全に暗記するほどの走り込みが必要です。また、スキージャンプでは風向きや踏み切りのタイミングがシビアに判定されるなど、競技ごとの特性を捉えたストイックな調整が施されています。

一方で、収録種目が6つのみというボリュームの少なさや、全体的に地味で淡々とした演出は、派手なスポーツゲームを好む層には物足りなく映る部分もあります。しかし、オリンピック公式ライセンスならではの厳かな雰囲気と、コンマ1秒に泣き笑いする競技性の高さは、冬のスポーツの厳しさと美しさを真摯に描いています。最大4人までの対戦プレイにも対応しており、家族や友人と「擬似オリンピック」を開催して熱くなるには最適な一本です。

『ソルトレーク2002』は、第19回オリンピック冬季競技大会(ソルトレークシティオリンピック)の公式ゲームです。この大会では、スケルトンが54年ぶりに復活したり、女子ボブスレーが新採用されたりと話題になりましたが、本作でプレイできるのはその中の一部競技に限られています。

ソルトレーク2002 (PS2)