『THE SEED』は、戦艦設計の緻密さが戦局を左右するSFウォーシミュレーション。2001年12月6日にアートディンクからPlayStation 2で発売されました。
本作は、プレイヤーが直接兵器を操作するのではなく、「戦艦の設計」と「行動方針の策定」のみを行い、戦闘そのものはAIに委ねるという極めて硬派なスタイルを貫いています。舞台は宇宙暦528年。人類を含む銀河の知的生命体による同盟が、突如として現れた謎の敵性生命体「SEED(シード)」の侵攻を受けるところから物語は始まります。プレイヤーは「対SEED防衛軍(ASDF)」の司令官となり、限られた予算と技術を駆使して、対抗策となる最強の戦艦を建造しなければなりません。
ゲームの中核をなすのは、アートディンクのお家芸ともいえるコンストラクション要素です。船体のベースを選び、エンジン、ジェネレーター、実弾兵器、ビーム兵器、シールド、装甲といった無数のパーツをパズルのように組み込みます。重要なのは、単に強力な武器を積めば勝てるわけではない点です。エネルギー消費のバランス、重量による機動力の低下、そして何より**「どのような距離で、どの敵を優先して狙うか」**という行動ロジックの設定が勝敗を分けます。戦闘シーンはフル3Dで描かれ、自らが設計した艦隊が弾幕を交わし、敵を殲滅していく様を「見守る」ことになります。
キャンペーンモードはミッションクリア型で進行し、一度クリアしたステージには再挑戦できない「資金のやり繰り」がシビアなつくりとなっています。撃沈されれば修理費がかさみ、無駄な弾薬消費は経営を圧迫するため、効率的かつ生存率の高い設計が求められます。当時の家庭用ゲームとしては珍しく、USBモデムを使用したネットワーク対戦にも対応しており、自慢の設計データを用いたブリーダー対決のような熱い駆け引きが行われていました。アクション操作を一切排し、純粋な「思考」と「理論」だけで宇宙戦争を勝ち抜く、知る人ぞ知る名作シミュレーションです。
本作はオリジナル作品ですが、その設計思想は同社の代表作『カルネージハート』シリーズ(1995年~)の流れを色濃く汲んでいます。『カルネージハート』がロボット(OKE)の行動プログラムを組むゲームであったのに対し、本作は「戦艦」という巨大兵器の建造と運用に焦点を当てています。「与えられた環境の中で、いかに最適解を導き出すか」というエンジニアリング的な面白さを追求する同社の姿勢は、本作にも強く反映されており、SF設定としての「未知の敵との絶望的な戦い」というシチュエーションが、プレイヤーの試行錯誤をよりドラマチックに演出しています。













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