『鄭問之三國誌』は、台湾の漫画界を代表する巨匠・鄭問(チェン・ウェン)氏の圧倒的な画力で英雄たちを描いた歴史シミュレーションゲーム。2001年11月01日にゲームアーツからプレイステーション2で発売されました。当初はドリームキャスト向けに開発が発表されていましたが、プラットフォームを変更してPS2でのリリースとなりました。その後、2002年09月06日にはPC版(Windows)も発売されています。本作は、水墨画の技法と現代的な色彩感覚を融合させた鄭問氏のアートワークを全面的に採用し、従来の「三国志」ゲームとは一線を画す、芸術的かつ重厚な世界観を構築しています。

ゲームプレイは、中国全土の都市を「点」と「線」で結んだマップ上で行われます。プレイヤーは君主となり、内政で国力を蓄えつつ、軍勢を派遣して領土を拡大します。システム面での最大の特徴は、「戦略フェイズ」で全軍の行動計画を立案し、その後の「作戦フェイズ」で敵味方の行動が同時に実行されるプロット入力方式を採用している点です。また、補給の概念である「兵站線」が重要視されており、敵の補給路を断つことで大軍を無力化するといった、地政学的な駆け引きが求められます。戦闘は野戦と攻城戦の2段階で構成され、武将同士の一騎打ちや、知力を用いた計略が戦局を大きく左右します。

本作の独自性は、鄭問氏によるキャラクターデザインと、正史(史実)を重視したシビアな能力設定にあります。劉備や曹操といった有名武将だけでなく、マイナーな武将に至るまで個性的かつ写実的なタッチで描かれており、ゲーム内の「鄭問画廊」モードではそれらの美麗なイラストを鑑賞可能です。また、能力値の設定も演義(物語)より正史の記述をベースにしているため、一般的に知られるイメージとは異なる武将の強さや評価を発見できる点も、歴史ファンにとっての大きな魅力となっています。

本作のアートワークを担当した鄭問氏は、日本でも漫画『東周英雄伝』などで高い評価を受け、漫画家として初めて故宮博物院に作品が展示された伝説的な人物です。ゲームでその画風に惹かれた方は、氏の画集や漫画作品を手に取ることで、筆のタッチからほとばしるエネルギーと、東洋美術の極致とも言える表現力をより深く味わうことができます。

鄭問画集 鄭問之三國誌

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