2001年にコナミから発売された『永世名人V』は、将棋AI開発者・吉村信弘氏による思考エンジンを搭載したシリーズ第5作であり、PlayStation 2専用ソフトとして登場しました。本作は、前作までの機能を継承しつつ、PS2の性能を活かしたグラフィック表現や操作性の向上、そして定跡データベースの大幅な拡充が図られています。
特に注目すべきは、約20万手に及ぶ定跡データを収録した「定跡ガイド」機能で、振り飛車や藤井システムなど13種類の戦法を学習可能です。さらに、対局中にCPUがリアルタイムで次の手を検討する「リアルタイム思考システム」により、待ち時間が短縮され、テンポの良い対局が実現されています。
また、初心者向けには駒の動かし方やヒント表示、棋譜解析といった学習支援機能が充実しており、上級者には終盤まで対応する強力なAIが用意されています。棋譜の作成・編集が可能なエディット機能や、名局を再現できる棋譜再生モードも搭載されており、将棋の奥深さを多角的に体験できる内容となっています。
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