DC版・PS版『水夏 〜SUIKA〜』は、2002年7月18日にプリンセスソフトより発売された全年齢向け移植作品で、PC版の第4章を中心に再構成されたコンシューマ版です。PS版は『WATER SUMMER』というタイトルで展開されました。

DC版・PS版では、PC版で18禁だった要素を排除し、全年齢向けに調整されたシナリオが採用されています。特に第4章「稲葉宏と名無しの少女」の物語が中心となっており、ウィンドウ表示のアドベンチャー形式で進行します。プレイヤーは選択肢を通じて物語を分岐させ、複数のエンディングに到達することが可能です。

DC版・PS版では、新キャラクター「千夏」が登場します。彼女は「千の夏をめぐる者」を自称する謎の少女で、神出鬼没に現れ、物語に不思議な余韻を残します。また、若林美絵がヒロインに昇格し、彼女のシナリオが追加されたことで、白河さやかとの関係性にも新たな展開が生まれました。これにより、美絵ルートからさやかルートへの分岐が設けられ、プレイヤーの選択によって物語の深度が変化します。

DC版・PS版ともに、キャラクターボイスは女性キャラのみで、PC版と同じ声優が起用されています。演出面では、背景や立ち絵の描写が強化され、コンシューマ機向けに最適化されたグラフィックが採用されています。PS版はタイトルが『WATER SUMMER』に変更されており、パッケージやUIデザインも独自のものとなっています。