『ハムスター倶楽部』シリーズは、同名の人気4コマ漫画を原作に愛くるしいハムスターとの生活や育成を手のひらで体験できる育成シミュレーション。1999年10月29日にジョルダンからゲームボーイで第1作が発売され、その後ゲームボーイカラー、PlayStation、ゲームボーイアドバンスへと多彩なプラットフォームでシリーズが展開されました。

本作は、松下幸氏による原作漫画の世界観を忠実に再現しており、プレイヤーは飼い主となってハムスターのお世話を楽しみます。エサやりやケージの掃除といった日常のルーチンワークに加え、ハムスターに言葉を教えたり、ミニゲームを通じて能力を鍛えたりするコミュニケーション要素が中心となります。原作で人気の「しげっち」をはじめとする個性豊かなキャラクターたちが、ドット絵や3Dモデルで活き活きと描かれるのが大きな魅力です。

シリーズを追うごとにシステムは進化し、特定のテーマに絞った作品も登場しました。2000年の『あわせてチュー』では相性診断や配合による繁殖要素が強化され、2001年の『おしえまチュー』ではハムスターとの知的なやり取りにスポットが当てられています。ハードの性能を活かしたPlayStation版『ハムスター倶楽部-i(愛)』では、より精細なグラフィックでハムスターの愛らしい仕草を堪能できるようになりました。

ゲームボーイアドバンスへ移行した『3』および『4』では、育成できるハムスターの種類が大幅に増加し、コレクション要素がさらに充実しました。季節ごとのイベントや、育てたハムスターを大会に出場させる要素など、長期にわたって飽きさせない工夫が随所に盛り込まれています。通信ケーブルを利用した友達との交流機能も備わっており、お見合いをさせて新しい毛色の子供を誕生させるといった、デジタルペットならではの楽しみ方が追求されました。

全編を通して、原作の持つほのぼのとした空気感と、ハムスターブームを背景とした実用的な飼育知識の提供が両立されています。難しい操作を必要とせず、誰でも手軽に「自分だけのハムスター」を育て上げることができる本作は、当時の子供たちを中心に幅広い層から支持を得た、育成ゲームの定番シリーズです。

『ハムスター倶楽部』シリーズは、松下幸氏が「まんがライフ」等で連載していた人気4コマ漫画を原作としています。現実のハムスターの生態と、漫画ならではのコミカルな味付けが融合した本作は、後にTVアニメ化も行われるなど、2000年代初頭のハムスターブームを牽引する重要なメディアミックス作品となりました。

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