『ヘリックス フィアエフェクト』は、香港の摩天楼と古代中国の神秘が交錯するサイバーパンクな世界を舞台に、4人の傭兵たちが致死率100%のミッションに挑むアクションアドベンチャー。2001年11月15日にアイドス・インタラクティブからPlayStationで発売され、ディスク4枚組という圧倒的なボリュームと、アニメーションする背景の中をキャラクターが動き回る独自の映像表現で、PS1末期の市場に強烈なインパクトを残したカルト作です。
本作は、前年に発売された『フィアエフェクト』の前日譚(プリクエル)にあたります。物語は、遺伝子工学によるパンデミックの脅威が迫る近未来、傭兵のハナ、グラス、ディーク、そして新キャラクターであるレインの4人が出会い、チームを結成するまでの経緯を描きます。ゲームシステムは『バイオハザード』に近いラジコン操作と固定カメラ視点を採用していますが、最大の特徴は背景グラフィックにあります。静止画ではなく、常に何かが動き続けている「ループムービー」を背景として使用しており、雨が降りしきる路地裏やネオンが明滅する看板など、空気感まで再現された生きた世界を探索することができます。
このシリーズを語る上で外せないのが、大人向けのハードな表現です。セルシェーディング風のトゥーンレンダリングで描かれたキャラクターたちは魅力的ですが、敵の倒し方やゲームオーバー時の死に様(デッドシーン)は極めて残酷かつバリエーション豊かです。また、女性主人公ハナと相棒レインの妖艶な関係性もクローズアップされており、スタイリッシュな映像美とB級映画的なエロス&バイオレンスが同居しています。
パズル要素も多く、謎解きに詰まると即死トラップの餌食になることもしばしば。4枚のディスクを入れ替えながら進む長大なシナリオは、香港ノワール映画とSFホラーをミックスしたような重厚さを持ち、洋ゲー特有の難易度の高さと相まって、クリアしたプレイヤーに深い達成感(とトラウマ)を刻み込みます。
『ヘリックス フィアエフェクト』はオリジナル作品ですが、その世界観は『ブレードランナー』や『攻殻機動隊』といったサイバーパンク作品、そしてジョン・ウー監督に代表される香港ノワール映画の影響を色濃く受けています。













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