『恋よほう』は、すれ違いから始まった嘘と変装が織りなす恋愛アドベンチャーゲーム。2001年07月26日にプリンセスソフトからプレイステーションで発売されました。物語のきっかけは、主人公が久しぶりに再会した幼馴染の少女のことをすっかり忘れていたという些細な、しかし彼女にとっては重大な事件です。傷ついた彼女は、主人公への復讐(という名の接近)を決意し、長い髪を切り落として男装。自身の「双子の弟」である「柊真生(ひいらぎ まお)」と名乗り、主人公の親友として彼に近づくことになります。
ゲームシステムは、文章を読み進めながら選択肢を選んでいくオーソドックスなテキストアドベンチャー形式を採用しています。プレイヤーは主人公となり、学園生活を通じて多くのヒロインたちと交流を深めていきます。攻略対象となるキャラクターは隠し要素を含めて10名におよびますが、本作の核心は、男として振る舞いながらも主人公に惹かれていく「柊真生」との関係性にあります。友情と恋心の間で揺れ動く彼女の葛藤や、正体が露見しそうになるスリリングな展開を体験します。
本作の特徴は、PCゲーム『恋ようび』を移植するにあたり、単なる恋愛ゲームの枠を超えたドラマチックなシナリオが強化されている点です。特に男装ヒロインである真生のルートは、その設定ゆえに発生する切なさや、嘘をつき続ける苦悩が丁寧に描かれており、多くのプレイヤーから高い評価を得ました。本来はサブキャラクターや色物扱いになりがちな「男装女子」を、物語の中心に据えて深掘りした意欲作となっています。
本作の開発はゼロシステムが担当し、PC版のアダルトゲーム『恋ようび』を一般向けにアレンジして移植しました。プリンセスソフトの初期を代表するタイトルの一つであり、後に同ブランドが多くの美少女ゲーム移植を手掛けるきっかけともなりました。「男装して男子校(または男子のコミュニティ)に潜入する」というシチュエーションは少女漫画の王道であり、中条比紗也氏の『花ざかりの君たちへ』などを読むことで、そのドキドキ感をより深く理解できます。













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