『ファンタスティックフォーチュン』は、剣と魔法の世界「ワーランド」を舞台に、立場も境遇も異なる3人の少女の運命と恋を描く女性向け恋愛シミュレーションゲーム。2001年5月24日にサイバーフロントからPlayStationで発売されました。
本作のオリジナルは、1998年に富士通から発売されたPC用ソフトです。発売直後にメーカーがゲーム事業から撤退し入手困難となりましたが、熱烈なファンの署名活動によってPlayStationへの移植が実現したという、伝説的な経緯を持つ作品です。プレイヤーは、世間知らずの「王女ディアーナ(CV:茶山莉子)」、性別を持たないアンヘル族の「騎士見習いシルフィス(CV:石田彰)」、現代日本から召喚された「女子高生・藤原芽衣(CV:坂本真綾)」の3人から主人公を選択します。選んだ主人公によってシナリオや周囲の反応がガラリと変化し、同じ期間・同じ場所を過ごしていても全く異なる物語体験ができる「リレーショナル」な構成が高く評価されました。
ゲームシステムは、魔法や教養などのパラメータを上げる育成パートと、魅力的な男性キャラクターたちとの会話を楽しむアドベンチャーパートで進行します。キャラクターデザインとシナリオは漫画家のゆうきあずさ氏が担当しており、繊細なイラストと、コミカルながらも時に切ないストーリーがプレイヤーを魅了します。攻略対象には緑川光氏、塩沢兼人氏、鈴置洋孝氏といった豪華声優陣が名を連ねており、今なお色褪せない乙女ゲームの金字塔として語り継がれています。
本作は、かつて富士通が展開していたゲームブランドにおいて、学園シミュレーション『エーベルージュ』と同じ世界観(500年前の時代)を共有する作品として制作されました。企画・シナリオ・キャラクターデザインを漫画家のゆうきあずさ氏が一手に担っており、少女漫画的な繊細な心理描写とファンタジー設定の融合が見事です。後に続編となるPS2用ソフト『ファンタスティックフォーチュン2』も発売されました。













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