『砂のエンブレイス〜エディンの里のネーブル〜』は、2000年にアイディアファクトリーから発売されたプレイステーション用の穴掘りRPGで、ネバーランドシリーズの一作として展開された作品です。主人公ネーブルは、亡き祖母の遺品に記された「願いが叶う石」を探すため、乾いた大地エディンを舞台に旅へと出発します。物語は、祖母との再会を願う少女の切実な想いを軸に進行します。
ゲームの特徴は、フィールド上で自由に穴を掘ってアイテムやダンジョンを発見する探索システムにあります。水が行動力・MP・通貨の役割を兼ねており、移動や戦闘、買い物などあらゆる場面で水の管理が求められます。水が尽きるとHPが減少するため、補給ポイントや行商人との取引が重要になります。戦闘ではキャラクターごとに固有の特技を使用でき、戦略性も備えています。
登場キャラクターは、騎士・神父・魔族のハーフ・戦災孤児など個性豊かな6人が揃い、ネーブルとの関係性によって物語が分岐します。恋愛要素も含まれていますが、進行には特定アイテムの所持やステータス条件などが必要で、RPG的な達成感が重視された設計です。風の精霊から噂を聞く「風の噂」システムも搭載され、探索のヒントとして機能します。
一方で、マップの視認性やシナリオの薄さ、恋愛要素の希薄さなどに課題があり、攻略情報なしでは進行が難しい場面も存在します。レアアイテムのコンプリートには特定キャラとの恋愛を繰り返す必要があり、主人公の設定と乖離したプレイスタイルが求められる点も議論の的となりました。それでも、水を中心とした独自のシステムや穴掘りの楽しさは一定の評価を受けています。
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