『コンビ麻雀 あわせうち with「まぼろし月夜」キャラクターズ』は、パートナーとサインを送り合いながら勝利を目指す「コンビ打ち」をテーマにした、一風変わった麻雀シミュレーション。2000年6月1日にギャップスからPlayStationで発売され、恋愛アドベンチャーゲーム『まぼろし月夜』のヒロインたちが総出演するスピンオフ作品として展開されました。
本作は、一般的な4人打ち麻雀とは異なり、2対2のタッグ戦を主軸に据えています。プレイヤーは『まぼろし月夜』のサブキャラクターである天乃玉子(あまのたまご)とコンビを組み、対面のパートナーに「通しサイン」を送ることで協力プレイを行います。「ポンしろ」「リーチしろ」「危険牌を切るな」といった指示をコントローラー入力で密かに伝達し、あえてパートナーに振り込んだり、二人掛かりで他家を攻撃したりといった、通常の麻雀ゲームでは味わえない戦略的な連携を楽しむことができます。
ゲームモードには、原作のキャラクターたちが織りなすオリジナルシナリオ「ストーリーモード」が収録されています。原作の切なく幻想的な雰囲気とは一転し、「海の日」を舞台にしたコミカルで明るいドタバタ劇がフルボイスで展開されます。シナリオとグラフィックは原作開発元のシムスが担当しており、スピンオフながらもキャラクターの性格や関係性が丁寧に描かれている点がファンには嬉しい要素です。また、女流雀士の大宮京子プロが監修を務めており、麻雀の思考ルーチンもしっかりとした作りになっています。
さらに、パートナーである玉子を自分好みの雀士に育てる「育成要素」や、特定条件でのクリアを目指すパズル的な要素も盛り込まれています。定価2,800円(税別)という低価格帯「SIMPLE1500シリーズ」等に近い価格設定で発売されましたが、単なるキャラゲーの枠に収まらない独自のシステムとボリュームを備えており、原作ファンだけでなく、変わった麻雀ゲームを求める層にもアピールする隠れた良作です。
『コンビ麻雀 あわせうち with「まぼろし月夜」キャラクターズ』の原作となったのは、1999年にシムスから発売された恋愛アドベンチャー『まぼろし月夜』です。記憶を失った幽霊の少女・坂上月代との不思議な共同生活を描いた同作は、その幻想的な世界観と感動的なシナリオでカルト的な人気を博しました。













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