『イカサマ麻雀』は、2000年5月2日にアイディアファクトリーよりPlayStation向けに発売された麻雀ゲーム。本作は、牌のすり替えや積み込みといった反則技(イカサマ)をシステムとして実装し、運や実力だけでなく「いかにバレずに不正を行うか」が勝敗を分ける、アンダーグラウンドな世界観を持ったテーブルゲーム作品です。
物語の舞台は昭和末期の日本。失業し裏社会で生きることを決意した主人公が、薄暗い雀荘を渡り歩きながら、様々な個性を持つ雀士たちと命金を賭けた戦いを繰り広げます。通常の麻雀とは異なり、対局中にコマンド入力で「元禄積み」や「つばめ返し」といった伝説的なイカサマ技を発動できるのが最大の特徴であり、成功すれば一発逆転が可能ですが、失敗すればペナルティを受けるというスリリングな駆け引きが楽しめます。
また、倒した敵を「相棒」として連れて行くことができるパートナーシステムが搭載されており、仲間と連携して行う強力なコンビネーション技や、相手のイカサマを見破る「見切り」などの要素も充実しています。単なるギャンブルゲームにとどまらず、裏社会の非情さと男たちの挽歌を描いたストーリーモードも見どころの一つであり、正攻法が通用しない独自の麻雀体験が提供されています。
本作は、アイディアファクトリーによる完全オリジナルの麻雀ゲームです。同社は設立初期から『厄』シリーズなどの尖った作品を数多くリリースしており、本作もその流れを汲む実験的なタイトルとして制作されました。特定の原作漫画などは存在しませんが、昭和の任侠映画や麻雀劇画の雰囲気を色濃く反映した世界観が構築されています。なお、後にPlayStation 2の「SIMPLE2000シリーズ」などで発売された『THE イカサマ麻雀』などは別会社による作品ですが、コンセプトとしては本作の系譜に連なるジャンルと言えます。












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