『DARK TALES From The Lost Soul』は、謎めいた案内人「テラー」にいざなわれ、現実と悪夢の境界で繰り広げられる3つの恐怖体験を味わうシネマティック・ホラーアドベンチャー。1999年10月28日にサミーからPlayStationで発売されました。本作は、廃遊園地で連続殺人鬼に追われる老刑事を描く「キャット&マウス」、不気味なワープロソフトに取り憑かれた作家の物語「ゴーストライター」、そして新婚旅行先で不可解な現象に襲われる夫婦の「ザ・ハネムーン」という、独立した3本のシナリオからなるオムニバス形式で構成されています。

ゲームの目的は、フルボイスで進行するドラマを聞きながら、物語の分岐点となる瞬間に正しい行動を選択し、それぞれの結末を見届けることです。プレイヤーは基本的に「聞く」ことで状況を把握しますが、突如として画面に「DECIDE」の文字が表示され、瞬時の判断で逃げる方向を選んだり、迫りくる危険を回避するためにボタンを連打したりといったアクション(QTE)が求められます。本作の核心は、視覚情報をあえて制限し、3Dサウンドによる聴覚情報に重きを置いた演出にあります。ヘッドホンの使用が強く推奨されており、足音の距離感や耳元で囁かれる声が生み出す臨場感が、プレイヤーの想像力を極限まで刺激する仕様となっています。

本作の最大の特徴は、テレビドラマ『世にも奇妙な物語』や『ヒッチコック劇場』を彷彿とさせる、ストーリーテラーによる語り口と奇妙な世界観です。各話の冒頭と結末に登場するテラー(演:廣濱武司)の芝居がかった口上が物語への没入感を高める一方、ゲームプレイ自体は非常にシンプルでありながら、一度の選択ミスが即座にバッドエンド(死亡)に直結するシビアな設計となっています。見えない敵の気配に怯え、音だけを頼りに生き残る道を模索するという、当時の家庭用ゲームとしては実験的かつ野心的なホラー体験が確立されています。

本作のような「奇妙な案内人」が視聴者を不思議な世界へといざない、予測不能な結末と教訓を残していくオムニバスドラマの金字塔であり、その構成美と恐怖の演出を堪能できる映像作品です。
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