『森の王国』は、7人の小さな妖精たちを導き、荒廃した大地に緑を取り戻す、牧歌的でありながら忍耐を試される環境育成シミュレーション。1999年10月21日にアスミック・エース エンタテインメントからPlayStationで発売され、ファンタジー小説の挿絵で知られる米田仁士氏のキャラクターデザインと、田中公平氏による雄大な音楽を携えた、隠れた良作ファンタジーとして展開されました。

本作の目的は、さらわれた王女を救うため、そして枯れ果てた「フォレスティ王国」を再生するために、妖精(コビト)たちと力を合わせて森を育てることです。プレイヤーは妖精たちに直接命令を下すのではなく、「木を植える」「水をやる」「敵を攻撃する」といった指示マーカーを設置し、彼らを間接的に誘導します。妖精たちはそれぞれの性格や能力を持っており、指示通りに動いてくれるとは限らず、放っておくと勝手な行動をとるため、まるでわんぱくな子供たちの引率者のようなもどかしさと愛おしさを感じながらプレイすることになります。

ゲームは、木を植えて森を広げ、精霊の力を借りて土地を浄化していく「シミュレーションパート」と、物語を進める「アドベンチャーパート」で構成されています。特にシミュレーション部分は、植林によって環境が変化し、新たな生物が訪れるようになるビオトープ的な楽しさがありますが、同時に害虫やモンスターの襲撃に対処しなければならないタワーディフェンス的な忙しさも併せ持っています。

美しい2Dグラフィックで描かれる絵本のような世界観とは裏腹に、ゲームバランスはややシビアで、特に戦闘シーンの地味さとテンポの悪さは評価を分ける点となっています。しかし、時間をかけて育てた森が画面いっぱいに広がり、田中公平氏の手によるオーケストラサウンドが流れる瞬間は、他のゲームでは味わえない深い癒やしと達成感を与えてくれます。

『森の王国』はオリジナル作品ですが、キャラクターデザインを担当した米田仁士氏は、『ロードス島戦記』や『ソーサリアン』などのファンタジー作品で、緻密かつ幻想的なイラストを手掛けてきた巨匠です。本作のビジュアルも、90年代ファンタジーの王道を行く美しいタッチで描かれています。

米田仁士 画集

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