『宇宙機動ヴァンアーク』は、火星を舞台に繰り広げられるスペースオペラと、疾走感あふれる3Dシューティングが見事に融合した、プレイステーション屈指のドラマチック・シューティングゲーム。1999年10月7日にアスミック・エース エンタテインメントからPlayStationで発売され、その操作感や演出から「プレイステーションで遊べるスターフォックス」とも評される隠れた名作として展開されました。

本作の舞台は22世紀、テラフォーミングによって人類の居住が可能になった火星。しかし、大気改造センター「ゼロフィールド」で突如として異変が発生し、謎の巨大生物群が出現します。プレイヤーは特殊機動部隊「ヴァンアーク」の一員となり、最新鋭戦闘機を駆って過酷なミッションに挑みます。ゲームは、敵を撃墜しながらステージを進む「3Dシューティングパート」と、母艦内で仲間と会話して物語を進める「アドベンチャーパート」を交互に繰り返す構成となっており、単なるアクションゲームに留まらない重厚な物語体験を提供します。

シューティング部分は、いわゆるレールシューティング(強制スクロール)形式を採用しています。画面奥に向かって進むモードだけでなく、状況に応じて横スクロールや縦スクロールへと視点がシームレスに変化し、小惑星帯や敵基地内部を縦横無尽に駆け抜けるダイナミックな演出が魅力です。また、出撃時にパートナーとなる「僚機」を選択できるシステムがあり、選んだ仲間によって援護攻撃の内容やステージ中の会話が変化するため、共に戦場を生き抜くバディ感(相棒感覚)を強く味わえます。

特筆すべきは、制作スタッフの豪華さです。シナリオに柿沼秀樹(『ガルフォース』)、絵コンテに樋口真嗣(『ガメラ』『シン・ゴジラ』)、メカニックデザインに神宮司訓之といった、アニメ・特撮界の一線級クリエイターが集結しています。彼らの手による映画的なカメラワークや、王道ながらも熱いSFストーリーは、ポリゴン黎明期の粗さを補って余りある没入感を生み出しています。難易度は高めですが、コンティニュー制限はなく、諦めずに挑めば必ずエンディングに辿り着ける絶妙なバランス調整も光る一作です。

『宇宙機動ヴァンアーク』はオリジナル作品ですが、シナリオを担当した柿沼秀樹氏は、80年代の美少女SFアニメ『ガルフォース』などの原作者として知られています。本作にも通じる「宇宙戦争と人間ドラマ」の融合は、氏の得意とするスタイルです。

柿沼秀樹 著書一覧

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