『デジタルグライダー エアマン』(Digital Glider Airman)は、エンジンを持たない滑空機(グライダー)を自ら設計・操縦し、風の力だけでどこまで飛べるかに挑む本格派フライトシミュレーション。1999年9月14日にアスクからPlayStationで発売されました。
本作の醍醐味は、パイロットとしての操縦技術と、エンジニアとしての設計手腕の両方が問われる点にあります。プレイヤーはまず、翼の長さ、取り付け角度、胴体の形状、重心バランスなどを細かく設定し、空気力学に基づいたオリジナルのグライダーを開発します。そして大空へとテイクオフした後は、目に見えない上昇気流(サーマル)を計器の反応を頼りに探し出し、その中で旋回を繰り返して高度を稼ぐ「サーマルソアリング」という高度なテクニックが要求されます。
派手な空中戦やスピード感とは無縁の静かな世界ですが、風を読み違えれば即墜落というシビアな現実が待っています。しかし、計算通りに設計した機体が風を捉え、鳥のように上昇していく瞬間の浮遊感と達成感は、他のフライトゲームでは味わえない本作ならではの体験です。「いかに長く、いかに遠くへ飛ぶか」というシンプルかつ深遠なテーマに挑む、職人気質な一作です。
本作を発売した株式会社アスクは、現在では海外製のPCパーツや周辺機器を取り扱う輸入商社として自作PCユーザーにはお馴染みの企業です。PlayStation時代にはゲームソフト事業も行っており、本作のようなニッチながらも専門性の高いシミュレーションゲームをリリースしていました。「鳥人間コンテスト」のような人力飛行機やグライダーに憧れを持つ層に向けた、硬派な作りが特徴です。













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