『スペクトラルフォース 愛しき邪悪』は、1999年8月26日にアイディアファクトリーよりPlayStation向けに発売されたシミュレーションゲーム。本作は、人間や魔族など多種多様な種族が暮らす「ネバーランド大陸」を舞台に、40カ国の君主から1人を選んで大陸統一を目指す、壮大な国盗り戦略シミュレーションの決定版です。シリーズ第3作目にあたり、前作『スペクトラルフォース2』から3年後の世界で、長きにわたる「ネバーランド大戦」の行方と、その裏に隠された神々の因縁に決着をつける重要なエピソードが描かれています。
物語の中心となるのは、東方の島国「ムロマチ国」の新君主となった少年シンバです。自然神「ガジュウ」の力を宿す彼は、終わりの見えない戦乱を終結させるため、そして大陸を蝕む真の脅威に立ち向かうために覇道を歩み始めます。前作までの主要キャラクターに加え、メイマイ騎士団やホルノス政府軍といった新勢力が参戦し、プレイヤーの選択と行動次第で歴史が大きく分岐するマルチエンディング方式が採用されています。
ゲームシステムは「内政」「外交」「人事」「戦闘」を月ごとに実行するターン制で進行しますが、最大の特徴は1000人対1000人の兵士が入り乱れる大迫力の集団戦闘です。本作では必殺技の演出が強化されたほか、複数の武将が連携して放つ「合体技」や、敵の魔法を無効化する「対魔陣形」などの新要素が追加され、より戦術的でダイナミックなバトルが可能となりました。全ての国にトゥルーエンディングが用意されており、圧倒的なボリュームでネバーランドの歴史を体験することができます。
原作となる『スペクトラルフォース』は、1997年にアイディアファクトリーより発売されたファンタジーシミュレーションRPGです。架空の世界「ネバーランド」を舞台にした壮大な戦記物としてカルト的な人気を博し、後に『スペクトラルソウルズ』や『ジェネレーションオブカオス』など多くの派生作品を生み出しました。本作『愛しき邪悪』は、初代から続くPlayStation三部作の完結編として位置づけられており、主人公シンバの物語は後のシリーズ作品の歴史(正史)へと直接繋がっていく重要な転換点となっています。












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