『MEREMANOID 〜マーメノイド〜』は、美しくも謎に満ちた深海の世界を舞台に、人魚たちの宿命と出生の秘密を巡る旅を描くロールプレイングゲームです。1999年8月5日にエクシングからPlayStationで発売され、当時としては珍しい全編3Dグラフィックによる幻想的な海底探索を実現しました。

物語の舞台は、海中都市が点在する深海世界「マリティア」。主人公の少年「オウシン」は、人魚（マーメノイド）として平和に暮らしていましたが、ある事件をきっかけに、自分たちの種族がどこから来たのか、そして世界の真実とは何かを求めて広大な深海へと旅立ちます。哲学的なテーマを含んだ重厚なシナリオと、田島昭宇氏がキャラクター原案を手掛けた独特のビジュアルが、唯一無二の世界観を構築しています。

ゲームシステムの特徴は、3Dで描かれた海底フィールドの探索にあります。プレイヤーは上下左右の概念がある水中を自由に泳ぎ回り、沈没船や古代遺跡を模したダンジョンを攻略していきます。戦闘はコマンド選択式のターン制バトルを採用しており、キャラクターの個性を活かした「ソウル」と呼ばれる特殊能力を成長させていくことで、戦略の幅が広がっていく仕組みです。

成長システムには、戦闘で得た経験値を「肉体」と「精神（ソウル）」のどちらに振り分けるかを選択する要素があります。これにより、物理攻撃に特化した戦士タイプにするか、強力な術を操る魔術師タイプにするかなど、プレイヤーの好みに応じたキャラクター育成が楽しめます。また、深海らしい浮遊感のあるBGMや、神秘的なエフェクトが対局の没入感をさらに高めています。

全編にわたり、単なる冒険譚に留まらない、自己のアイデンティティを問う深いストーリー展開が魅力です。物語の節目で挿入される美麗なムービーシーンや、徐々に明らかになるマリティアの真実は、プレイヤーに強い印象を残します。PlayStation初期から中期にかけての「3D・RPG」の中でも、その独創的な設定と美しさで今なお熱心なファンに支持されている作品です。

『MEREMANOID 〜マーメノイド〜』は、1997年にテレビ東京系で放送された同名のテレビアニメ『深海伝説マーメノイド』を原点としています。アニメ版の世界観をベースにしつつも、ゲーム版では独自の物語が展開されており、メディアミックス作品としての奥行きを持たせています。

深海伝説マーメノイド