『麻雀悟空 天竺 99』は、西遊記の世界を舞台に、三蔵法師一行が麻雀の対局を通じて妖怪を退け天竺を目指す麻雀シミュレーションです。1999年6月3日にシャノアールからPlayStationで発売されました。
本作は、1994年に登場した『麻雀悟空 天竺』のシステムや演出を大幅に強化したアップグレード版です。物語の主軸は、五行山から救い出された孫悟空が三蔵法師の供として天竺へ向かう道中を描く冒険劇。プレイヤーは悟空、猪八戒、沙悟浄、三蔵法師の中から一人を選択し、広大なマップ上に配置された関所を麻雀の勝利によって突破していきます。対局の勝敗がそのまま旅の進行に直結するすごろくのような構成が、対局に独自の目的意識を添えています。
思考エンジンの質を追求しており、シャノアール独自の「正統派」アルゴリズムを採用。このシステムは積み込みやイカサマを一切行わない公平なロジックを信条としており、麻雀本来の読みと駆け引きを重視した設計です。対戦相手として登場する50名以上の妖怪たちには、それぞれの性格を反映した個別のAIが割り振られ、攻撃的な打ち筋から慎重な守備型まで、多種多様な戦略を持つNPCとの対局を体験できます。
1999年版としての主な改良点は、ハードウェアの性能を活かした思考速度の劇的な高速化です。コンピュータの思考時間が大幅に短縮され、テンポの良い対局環境を実現しました。ビジュアル面でもキャラクターのアニメーションやカットイン演出がブラッシュアップされています。孫悟空役に野沢雅子氏、三蔵法師役に井上喜久子氏といった豪華声優陣による音声ナビゲーションが、西遊記のコミカルな雰囲気と本格的な対局の臨場感を高いレベルで両立させています。
ストーリーモード以外にも、特定のルール下で順位を競うトーナメント形式の「大会モード」や、好みの設定で対局できる「フリー対局」を収録。初心者向けのガイド機能やフリテン警告も完備され、あらゆる習熟度のプレイヤーが競技麻雀の醍醐味を堪能できる環境が整えられています。あ
『麻雀悟空 天竺 99』は、1980年代よりパソコン向けに展開されていた『麻雀悟空』シリーズの系譜に連なるタイトルです。西遊記をベースとしたユニークなキャラクター設定と、徹底したリアリズムに基づく麻雀ロジックが融合し、長年にわたり麻雀ファンの定番ソフトとして親しまれました。













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