『手ほどき麻雀 入門編』は、これから麻雀を覚えたいと願う初心者に向けて、日本プロ麻雀連盟が直々に「正しいルール」と「美しい打ち筋」を伝授する、極めて真面目な麻雀学習ソフト。1999年3月25日にナグザットからPlayStationで発売され、同社の看板タイトルである本格対局シミュレーター『徹萬』シリーズの入門用スピンオフとして展開されました。

本作の最大の特徴は、単なる麻雀ゲームではなく、あくまで「教科書」としての役割に特化している点です。「日本プロ麻雀連盟公認」の冠が示す通り、小島武夫プロをはじめとする実在のプロ雀士たちが監修したカリキュラムに基づき、牌の読み方から役の構成、点数計算に至るまでを段階的に学ぶことができます。モードは基礎知識を学ぶ「レクチャー」、クイズ形式で理解度を試す「ドリル」、そしてCPU相手に実戦練習を行う「対局」などで構成されており、独学では躓きがちな符計算なども丁寧に解説してくれます。

対局モードでは、初心者向けに調整された思考ルーチンが相手となりますが、ナグザットの麻雀エンジンを流用しているため、挙動自体はしっかりとしています。派手なエフェクトや萌え要素といったゲーム的な装飾は控えめですが、その分、画面は見やすく情報は整理されており、デジタルな「動く参考書」として非常に優秀です。麻雀を覚えたいけれど、いきなり対人戦は怖い、あるいは分厚い入門書を読むのは億劫だという層にとって、ゲーム機を使って手軽に、かつ本格的な理論に触れられる本作は、隠れた良作教育ソフトといえます。

『手ほどき麻雀 入門編』は、ナグザットの『徹萬』シリーズから派生した教育用タイトルです。日本プロ麻雀連盟は、正しい麻雀の普及とプロ化を目指して設立された団体であり、本作のような入門ソフトの監修を通じて、麻雀人口の裾野を広げる活動に尽力しています。

マンガで覚える麻雀入門