『セプテントリオン ~Out of the Blue~』は、1999年3月11日にヒューマンから発売されたPlayStation対応のアクションアドベンチャー。スーパーファミコンで名作と謳われた『セプテントリオン』のシステムをベースに、3Dグラフィックでリメイク・再構築された続編的作品です。

物語は、クリスマス・イブに豪華客船「キング・ウインザー号」が突如として謎の爆発を起こし、沈没の危機に瀕するところから始まります。プレイヤーは乗客や乗員の中から操作キャラクターを選び、刻一刻と浸水し傾いていく船内から脱出を目指します。前作の「転覆」とは異なり、本作では船体が複雑に傾斜・浸水していく中で、3D空間を立体的に探索し、生存者たちを誘導しながら脱出ルートを確保する必要があります。

しかし、前作で最大の特徴だった「リアルタイム60分」という厳格な時間制限が廃止され、アクション性よりも謎解きや探索に重きが置かれるなど、ゲーム性は大きく変化しています。また、単なる海難事故ではなく、船の沈没に隠された陰謀やテロリズムといったサスペンス要素がストーリーに盛り込まれており、複数の主人公の視点から事件の真相に迫るマルチシナリオ形式が採用されています。

『セプテントリオン ~Out of the Blue~』は、1993年にヒューマンから発売されたSFC用ソフト『セプテントリオン』をシリーズの原点としています。また、豪華客船の転覆と脱出というテーマ自体は、パニック映画の金字塔『ポセイドン・アドベンチャー』へのオマージュが色濃く反映されています。

ポセイドン・アドベンチャー