『トミカタウンをつくろう!』は、トミカの世界で理想の街づくりを楽しむ……と思いきや、その実態は油圧ショベルやクレーン車を精密に操る本格的な建設重機シミュレーション。1999年3月11日にトミーからプレイステーションで発売され、子供向けの可愛らしいパッケージとは裏腹に、極めてストイックな重機操作を要求される「硬派な職人ゲー」として知られる作品です。
プレイヤーは建設会社の新人オペレーターとなり、現場監督を目指して様々な工事現場へと派遣されます。「穴を掘る」「土砂を積む」「資材を運ぶ」といったミッションが課せられますが、これらは簡単なボタン操作ではなく、アームの角度や旋回などを個別に制御するリアルな挙動で再現されています。時間制限もシビアで、少しの操作ミスが命取りになるなど、対象年齢層を置き去りにしかねない高難易度が特徴です。
見事工事を完了させると、ご褒美として建物が完成し、トミカタウンが発展していきます。また、作業評価に応じて「トミカトレーディングカード」が入手でき、図鑑をコンプリートするコレクション要素も用意されています。街を作る楽しさと、重機を意のままに操る達成感(と苦労)を同時に味わえる、異色のシミュレーターです。
『トミカタウンをつくろう!』は、1970年からタカラトミー(旧トミー)が販売しているダイキャスト製ミニカー「トミカ」と、その情景玩具シリーズ「トミカタウン」を題材にしています。交番やガソリンスタンドなどの建物を自由に配置し、自分だけの街を作ってトミカを走らせる遊びは、世代を超えて親しまれています。












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