『幕末浪漫 月華の剣士』は、幕末の動乱期を舞台に、生と死の境界である「地獄門」を巡る剣士たちの戦いを描く2D対戦格闘ゲーム。1998年1月29日にNEOGEO(ROMカセット)版が、1999年2月25日にPlayStation版がSNKから発売されました。

本作は、SNKが『サムライスピリッツ』シリーズに次ぐ新たな武器格闘ゲームとして世に送り出した作品です。舞台設定には四神や陰陽道といったオカルト要素が取り入れられており、新撰組や維新志士をモチーフにした美形キャラクターたちが多数登場します。ゲームシステムにおける最大の特徴は、敵の攻撃をタイミングよくボタン入力で受け流し、相手の体勢を崩して反撃に転じる「弾き」システムです。これにより、単なる斬り合いだけでなく、攻防が瞬時に入れ替わる緊張感ある駆け引きが生まれています。また、キャラクターごとに「力(火力重視・削りダメージあり)」と「技(連殺斬によるコンボ重視)」という2種類の「剣質」を選択できるシステムも搭載され、同じキャラでもプレイスタイルに応じた戦術構築が可能です。

家庭用移植にあたり、PlayStation版ではハードウェアの制約からアニメーションパターンの一部削減やロード時間の発生が見られますが、その代わりにオープニングムービーの追加や、ストーリーモードにおけるデモ演出の強化が行われています。さらに、アーケード版には登場しなかった「真田小次郎(兄)」などの隠しキャラクターが使用可能になるなど、家庭用ならではの追加要素も充実しています。後に続編となる『第二幕』も制作されましたが、本作はその原点として、悲劇的かつ耽美な世界観を確立した一本として評価されています。

本作のキャラクターイラストを担当したのは、イラストレーターのTONKO氏です。氏の描く繊細で美しいキャラクターたちは、従来のSNK格闘ゲームの骨太なイメージとは一線を画すファン層を獲得しました。特に主人公の楓や守矢、ヒロインの雪といったキャラクターは高い人気を誇り、彼らの物語は続編の『幕末浪漫第二幕 月華の剣士』へと続いていきます。本作の世界観やキャラクター背景を深く知るには、設定資料集や、後に発売されたサウンドトラックなどが優れた補完資料となります。

月華の剣士 サウンドトラック・関連CD

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