『玉繭物語』は、『首都高バトル』シリーズなどで知られるメーカー・元気が、スタジオジブリの強力なスタッフを招いて制作した意欲作にして、PlayStation屈指の映像美を誇るファンタジーRPG。1998年12月3日に発売されました。

本作の最大の魅力は、キャラクターデザイン・原画に『魔女の宅急便』や『海がきこえる』で作画監督を務めた近藤勝也氏を起用している点です。ゲーム全編にわたって展開されるアニメーションムービーや、フィールド上のキャラクターの挙動は、まさに「動くジブリ映画」と呼ぶにふさわしいクオリティを実現しています。物語の舞台は、深い森に覆われ「滅びの蟲」の脅威に晒されたサイラス村。プレイヤーは、笛の音で魔物を鎮める「繭使い」の少年・レバントとなり、ナギ族の許嫁・マーブと共に、村を救うための過酷な運命に立ち向かいます。

ゲームシステムは、森に生息する魔物「森のしもべ」を捕獲し、育成して戦わせるモンスター収集型RPGです。特筆すべきは、捕らえた魔物を繭に封じ込め、浄化して「聖魔」へと変えるプロセスと、それらを掛け合わせる「合成」システムです。本作の合成は能力だけでなく「見た目」もパーツ単位で融合されるため、可愛らしい精霊と異形の怪物を混ぜて奇妙なキメラを生み出すといった、プレイヤーの美的センス(あるいはマッドサイエンティスト的な好奇心)が試されます。音楽には元EXPOの松前公高氏を起用し、民族音楽とエレクトロニカが融合した独創的なサウンドが、美しくも少し不気味な森の世界観を彩っています。

【キャラクターデザイン:近藤勝也について】
近藤勝也氏は、スタジオジブリを代表するアニメーターの一人です。『天空の城ラピュタ』『魔女の宅急便』『海がきこえる』『崖の上のポニョ』など数多くの作品で作画監督やキャラクターデザインを務め、その清潔感あふれるキャラクター造形は多くのファンに愛されています。本作『玉繭物語』は、そんな彼がゲームという媒体でその手腕を遺憾なく発揮した貴重な作品です。

近藤勝也氏の画集・関連書籍

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