『実況アメリカンベースボール2』は、1998年10月8日にコナミからPlayStation向けに発売された野球ゲームで、同社の人気シリーズ『実況パワフルプロ野球』のシステムをベースに、アメリカ・メジャーリーグ(MLB)を題材としたスピンオフ作品です。全30球団・700人以上の選手が登場し、実況は英語、球場や選手の雰囲気も含めて“アメリカの野球”を強く意識した作りとなっています。

ゲームモードは、エキシビション、シーズン、トレード、シナリオ、トレーニングの5種類が用意されており、特にシナリオモードでは伊良部秀輝や野茂英雄といった当時の日本人メジャーリーガーに焦点を当てた熱い展開が楽しめます。たとえば「KAMIKAZE!」と題された伊良部のシナリオでは、アナハイム打線を封じ込める彼の投球にティム・サーモンが挑むという、まるでスポーツ映画のような演出が話題となりました。

操作性や試合システムはパワプロに近く、打撃や投球の感覚も馴染みやすい一方で、全体的にはやや大味な作りと評価されることもありました。とはいえ、当時としては珍しいMLBを題材にした日本製ゲームであり、野球ファンにとっては貴重な一本だったことは間違いありません。