『カクテル・ハーモニー』は、400種類以上のレシピを収録した本格的なデータベース機能と、バーテンダーとなって女性との恋を楽しむアドベンチャー要素を融合させたカクテル・シミュレーションゲーム。1998年9月10日にアストロールからPlayStationで発売されました。
本作は、PlayStationというハードウェアを実用的な「電子図鑑」として活用しつつ、ゲームとしての娯楽性も持たせた作品です。メインとなるデータベース部分では、カクテルの歴史、使用する道具(シェイカーやメジャーカップなど)、グラスの種類、そして400種を超える膨大なレシピをフルボイスの解説付きで学ぶことができます。単に読むだけでなく、ベースとなる酒や副材料を選んでオリジナルカクテルを作成したり、いくつかの質問に答えることでその日の気分に合った一杯を提案してくれる機能も搭載されています。
さらに本作を特徴づけているのが、独自の「ストーリーモード」の存在です。クリスマスの夜に恋人に振られ、指輪を捨てた主人公のもとにサンタクロースが現れ、不思議な携帯電話を授けるところから物語が始まります。主人公はこの携帯電話を通じて新たな女性たちと出会い、バーでのデートを通じて彼女たちの好みに合ったカクテルを振る舞い、親密度を上げていきます。実用ソフトとしての真面目な作りと、90年代後半らしいトレンディドラマ風の恋愛シミュレーションが同居しており、お酒の知識を学びながらバーチャルな大人の恋を体験できる異色のタイトルです。
本作の発売元であるアストロール(ASTROLL)は、PlayStation参入メーカーとしては小規模であり、本作以外に目立ったヒット作は確認されていません。しかし、本作のような「趣味・実用」と「ゲーム」を融合させたソフトは、当時のマルチメディアブームの中で数多く制作されました。ゲームで学んだ知識を活かして実際にカクテルを作ってみたい方には、初心者向けのシェイカーセットや、美しい写真で構成されたカクテルブックが、バーテンダーへの第一歩として最適です。













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