『卒業M 〜生徒会長の華麗なる陰謀〜』は、行方不明になった兄を探すため全寮制男子校に潜入した主人公が、学園のアイドルたちと共に事件の解決に挑む恋愛アドベンチャーゲーム。1998年7月30日にイースリースタッフからPlayStationで発売されました。
本作は、育成シミュレーション『卒業』の男性版として企画され、漫画、CDドラマ、アニメなど多岐にわたるメディアミックス展開で人気を博した『卒業M』のゲーム化作品です。物語の舞台は、名門男子校・誠龍高校。プレイヤーは、失踪した兄からの電話を頼りに学園へ乗り込んだ主人公(妹)となり、「M」と呼ばれる3年A組の美男子5人組(新井透吾、加藤勇祐、志村未希麿、高城紫門、中本翔)に協力を求めます。ゲームはアドベンチャー形式で進行し、5人の中からパートナーを選んで学園内を聞き込み調査したり、怪しい場所を探索したりしながら、生徒会長・草薙が企む陰謀の核心へと迫ります。
本作の最大の特徴は、パートナーに選んだキャラクターと常に行動を共にすることで親密度が高まり、事件解決後には友情を超えたエンディング(告白イベント)が用意されている点です。当時まだ数少なかった「女性向け恋愛ゲーム(乙女ゲーム)」の先駆けとも言えるシステムであり、緑川光さん、置鮎龍太郎さん、神奈延年さん(当時は林延年)、石川英郎さん、阪口大助さんといった、90年代を代表する人気男性声優陣によるフルボイス演出が、ファン層から絶大な支持を集めました。推理アドベンチャーとしての難易度は控えめですが、コミカルな掛け合いや、時折見せるシリアスな表情など、キャラクターの魅力を引き出すことに特化した作りとなっています。
本作の原作である『卒業M』は、有栖川ケイ氏が原案を務め、少女漫画誌での連載を中心に展開された作品です。作中に登場する5人のキャラクターを演じた声優陣によって結成されたボーカルユニット「E.M.U(エム)」は、日本武道館でのライブを成功させるなど、声優ブームの火付け役の一つとなりました。ゲーム版はアニメ的な絵柄ですが、漫画版(作画:杉崎ゆきる氏など)ではより繊細なタッチで彼らの日常が描かれており、当時のファンの必携アイテムとなっています。













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