『項劉記』(こうりゅうき)は、1998年3月26日に光栄(現・コーエーテクモゲームス)からPlayStation向けに発売された歴史シミュレーションゲームで、1993年にPC-9801で登場した同名作品の移植版です。古代中国の楚漢戦争を題材に、項羽と劉邦の覇権争いを描いています。
プレイヤーは項羽または劉邦のいずれかを選択し、相手勢力の打倒と中国統一を目指します。ゲームは4つの史実シナリオから始まり、軍団単位で武将や兵士を編成し、自由な行軍によって戦闘を展開する「行軍戦闘」システムを採用しています。戦闘では「伏兵移動」「水攻め」「夜襲」などの戦術が可能で、ユニットの向きによる防御補正なども導入されており、戦略性の高いリアルタイム戦闘が特徴です。
項羽は戦闘能力に優れるものの支持率が低く、離反リスクが高い一方、劉邦は外交や人材登用に秀でており、勢力ごとに異なる戦略が求められます。都市の支持率や君主の敬慕度によって登用や維持が左右されるため、内政よりも戦闘と補給が重視される設計となっています。登場武将には好悪設定があり、特定勢力にしか登用できない人物も存在します。
PlayStation版ではグラフィックやUIが家庭用向けに調整されているものの、ゲーム内容はPC版を踏襲しており、テンポの良い戦闘進行が特徴です。2004年には廉価版も発売され、2005年にはWindows向けに復刻版が登場しました。













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