『竜機伝承 -DRAGOON-』は、PC-9801で人気を博したファンタジーRPGを家庭用にリメイク移植したシミュレーションRPG。1997年12月18日にケイエスエス(KSS)からPlayStationで発売されました。

物語は、剣術使いの少年セディが、雪山で記憶喪失の少女ミュウを助けたことから始まります。機械文明を駆使する軍事国家ガルバード帝国と、古代の遺産「竜機(ドラグーン)」を巡る壮大な戦いを描いた王道のファンタジー作品です。PlayStation版では、PC版『竜機伝承PLUS』の追加要素をベースに、戦闘システムをクォータービューのシミュレーション形式へと刷新。行動順が回ってきたキャラクターがAP(アクションポイント)を消費して移動や攻撃を行うタクティカルバトルが展開されます。

本作最大の特徴は、90年代アニメブームを象徴するかのような豪華絢爛なキャスティングと演出です。主人公の石田彰をはじめ、國府田マリ子、関俊彦、宮村優子、今井由香といった当時のトップ人気声優たちがメインキャストを務め、イベントシーンではフルボイスの会話や高品質なアニメーションムービーが多数挿入されます。メディアミックス展開も盛んに行われ、OVA(オリジナルビデオアニメ)化やドラマCDの発売など、ゲームの枠を超えた展開を見せました。

開発元のケイエスエス(KSS)は、元々はレンタルビデオソフトの販売などを行っていた映像メーカーです。そのノウハウを活かし、90年代には『竜機伝承』シリーズや『下級生』などのPCゲーム移植、およびそれらのアニメ化(OVA製作)を積極的に行い、メディアミックス戦略の一翼を担っていました。

竜機伝承 (オリジナル・サウンドトラック)