『エージェント・アームストロング -秘密指令大作戦-』は、極太の上半身を持つ英国紳士が、愛国心と筋肉で悪の組織を粉砕する痛快スパイ・アクションシューティング。1997年12月4日にウイネットからPlayStationで発売され、洋ゲー特有の濃いキャラクターデザインと、横スクロールに奥行きの概念を取り入れた独特の操作性が融合した意欲作として展開されました。
舞台は1935年、世界恐慌の混乱に乗じて暗躍する犯罪組織「シンジケート」が世界征服を企む時代。プレイヤーは英国諜報部(British Secret Service)の最強エージェント・アームストロングとなり、組織の首領スパッツ・ファルコネッチの野望を阻止するため世界各地へ飛び立ちます。本作最大の特徴は、一見すると普通の横スクロールアクションに見えますが、画面の「手前」や「奥」にも移動できるベルトスクロール的なフィールド構造を持っている点です。敵は背景の建物の陰や画面の手前から攻撃してくるため、プレイヤーも奥行きを意識して射撃方向を調整し、立体的な銃撃戦を繰り広げる必要があります。
ゲームは全30ステージ構成で、単にゴールを目指すだけでなく「敵施設の破壊」や「捕虜の救出」といった特定のミッションを達成することでクリアとなります。主人公のアームストロングは、逆三角形のマッチョボディに蝶ネクタイとサングラスという出で立ちで、マシンガンや手榴弾を乱射する豪快なキャラクター。操作感はやや慣れが必要ですが、緻密なドット絵で描かれた滑らかなアニメーションや、ジャズやビッグバンドを取り入れた1930年代風のBGMがお洒落で、B級アクション映画のような雰囲気を盛り上げます。
『エージェント・アームストロング』は、1930年代のマフィア映画やスパイ活劇のパロディ要素をふんだんに取り入れています。「悪の組織vs単身のエージェント」という構図は、ジェームズ・ボンド以前の古典的な冒険活劇や、後の筋肉アクション映画の系譜を感じさせます。













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