『RPGツクール3』は、1997年11月27日にアスキーより発売されたPlayStation用のRPG制作ソフトです。家庭用ツクールシリーズとしては3作目にあたり、初めてPlayStationに対応したことで、グラフィックやシステム面が大幅に進化。メモリーカードを活用した大容量データ管理や、グラフィック作成ツール「アニメティカ」の搭載など、当時としては画期的な自由度を実現しました。

本作では、マップ作成・イベント設定・戦闘バランス・魔法やアイテムの設計など、RPG制作に必要な要素をすべて内包。特にイベント処理の自由度が高く、フラグ管理や分岐、ランダム要素、職業システム、必殺技の導入など、後のシリーズにも影響を与える多彩な機能が搭載されています。さらに、別売の『音楽ツクール かなでーる2』との連携により、自作BGMの導入も可能でした。

サンプルゲーム『ゴブリくんの冒険』では、ザコキャラのゴブリンがボスを目指すというメタ的な物語が展開され、チュートリアルとしても優秀。一方で、戦闘演出の簡素さや属性・耐性の仕様の複雑さ、メモリーカード依存による配布の難しさなど、独特のクセや制限も多く、上級者向けの側面も強い作品です。