『BOYS BE…』は、90年代の思春期男子たちを熱狂させた恋愛漫画の金字塔を、独自のシステムでゲーム化した恋愛アドベンチャー。1997年3月28日に講談社からPlayStationで発売されました。
本作最大の特徴は、恋愛ゲームとしては極めて珍しい「ザッピングシステム(マルチ・サイト・アドベンチャー)」を採用している点です。プレイヤーは性格の異なる3人の男子高校生(主人公)の視点をリアルタイムに切り替えながら物語を進めます。同じ時間帯でも、ある主人公は図書室でヒロインと出会い、別の主人公は部活に励んでいるといった具合に、並行して進むそれぞれの青春を干渉させ合いながら、最高のエンディングを目指します。
「誰かの何気ない行動が、別の誰かの運命を変える」というバタフライ・エフェクト的な要素が盛り込まれており、原作漫画が持つオムニバス形式(短編集)の群像劇的な面白さをゲームシステムで見事に再現しています。登場するヒロインは10名以上。原作同様、各章の冒頭や結末には「恋愛の格言(ポエム)」が表示され、甘酸っぱくも少し気恥ずかしい独特の世界観を演出しています。
原作『BOYS BE…』は、イタバシマサヒロ(原作)と玉越博幸(作画)により、1991年から『週刊少年マガジン』で連載されました。「Boys be ambitious(少年よ大志を抱け)」をもじったタイトル通り、等身大の高校生たちの恋愛模様を描き、作中に登場する著名人の格言やポエム風のモノローグが当時の若者の間で流行しました。













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