『CIVIZARD 魔術の系譜』は、文明の興亡を描く名作『シヴィライゼーション』のシステムをベースに、剣と魔法のファンタジー世界で覇権を争う、極めて中毒性の高いターン制ストラテジー。1997年1月17日にアスミックからPlayStationで発売され、元となったPCゲーム『Master of Magic』の奥深い戦略性を家庭用ゲーム機に持ち込んだ、知る人ぞ知る「時間泥棒」ソフトとして展開されました。
プレイヤーは強大な魔力を持つ魔術師となり、人間やエルフ、オークといった多種多様な種族を率いて都市を建設し、勢力を拡大していきます。ゲームの目的は、ライバルとなる他の魔術師をすべて倒して世界を征服するか、究極魔法「スペル・オブ・マスタリー」を完成させて強制的に勝利すること。本作の舞台は、資源豊かな表の世界「アルカナス」と、強力な魔物が跋扈する裏の世界「ミロール」という2つの並行世界で構成されており、次元の塔を通じて二つの世界を行き来しながら版図を広げる壮大なスケール感が魅力です。
本作最大の特徴は、内政・軍事・魔法が高い次元で融合した自由度の高さにあります。200種類以上もの魔法が存在し、召喚獣を呼び出して戦力を増強したり、都市に豊穣の雨を降らせたり、あるいは敵の都市を地震で破壊したりと、プレイヤーの選択次第で無限の戦術が生まれます。都市の立地や住まわせる種族によって生産できるユニットや施設が異なるため、毎回異なる展開を楽しむことができます。
一方で、移植作ゆえの操作性の癖や、セーブ・ロード時間の長さ、そして専門用語の多さが、初心者にとって高いハードルとなっています。しかし、その敷居さえ跨いでしまえば、「あと1ターンだけ」と繰り返しているうちに朝を迎えてしまうほどの、魔的な魅力を秘めた作品です。グラフィックは地味ながらも、脳内で補完される壮大なファンタジー戦記は、現代の美麗なゲームにも劣らない没入感を提供してくれます。
『CIVIZARD』の原作となったのは、1994年にマイクロプローズから発売されたPC用ストラテジーゲーム『Master of Magic』です。4X(探検・拡張・開発・殲滅)ゲームの金字塔『シヴィライゼーション』とファンタジー要素を融合させた傑作として、海外では今なお高い評価を得ています。













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