『黄昏のオード ‐ODE TO THE SUNSET ERA‐』は、1996年12月27日にトンキンハウスより発売されたPlayStation用のシンフォニックRPGです。音楽をテーマにした独自の世界観と、プレイヤーが歌詞を自由に入力できる「歌魔法自動作曲システム(ルーンソングシステム)」を搭載した、極めて異色のファンタジー作品です。主人公は吟遊詩人リュッケルト。嵐で難破し漂着した港町アデンで「歌魂(うただま)」の力を授かり、世界を脅かす悪神ガリハアクを封印するため、伝説のオードを探す旅に出ます。

戦闘はターン制で、主人公のみが歌魔法を使用可能。歌詞は最大7文字まで自由に設定でき、実際に合成音声で詠唱されるというユニークな仕様です。仲間キャラはギルドで雇用・解雇が可能で、戦闘中に命令を無視して必殺技を発動するなど、自由すぎるAI行動が特徴。主人公が倒れると即ゲームオーバーとなるため、仲間の行動に振り回される緊張感もあります。

グラフィックは全編ドット絵で構成され、オープニングとエンディングのみCGムービーを採用。キャラクターデザインは弘司氏、音楽は野見祐二氏が担当。シナリオは王道ファンタジーながら、仲間の加入・離脱が頻繁に発生し、ギルドキャラの強制解雇など、プレイヤーの感情を揺さぶる展開が多く、現在では“ネタゲー”としても語り継がれています。