『らんま1/2 バトルルネッサンス』は、高橋留美子原作の大人気格闘ラブコメディーを題材にした3D対戦格闘アクション。1996年12月6日に小学館プロダクションからPlayStationで発売されました。

本作最大の特徴は、シリーズ初となる「3D空間でのバトル」と、原作の設定をゲームシステムに落とし込んだ「天候変化」です。試合中に突如として雨が降る(スコール)ことがあり、水をかぶると変身してしまう呪泉郷の体質を持つキャラクター(乱馬、玄馬、良牙、シャンプー)は、強制的に姿が変わってしまいます。パンダや猫、黒ブタといった姿になると、技やリーチ、判定が劇的に変化するため、プレイヤーは天候をも味方につける臨機応変な戦いが求められます。逆にお湯が湧き出ると元の姿に戻るなど、ドタバタとした原作の空気を3Dフィールド上で再現しようという意欲的な試みがなされています。

登場キャラクターの選出も極めてマニアックです。おなじみのレギュラー陣に加え、原作漫画の終盤に登場する「公紋竜(くもん りゅう)」や「ルージュ」といった、他のゲーム化作品ではまず見かけないレアなキャラクターが参戦しています。ストーリーモードは絶海の孤島「鬼界ヶ島」を舞台に、伝説の秘宝「真剛鬼」を巡るオリジナルエピソードが展開され、テレビアニメ版と同じ豪華声優陣によるフルボイス演出が物語を盛り上げます。

格闘ゲームとしてのバランスは非常に大味で、永久コンボがつながりやすかったり、ポリゴンモデルが独特の形状をしていたりと、洗練された競技性は期待できません。しかし、3Dフィールドを自由に駆け回り、障害物を壊し、雨に濡れて変身しながら戦うという「らんまワールドの再現」に全振りした仕様は、ファンアイテムとして独自の輝きを放っています。特に、実況担当として関智一氏演じる放送部員が喋りまくる演出は、賑やかな作品の雰囲気を一層高めています。

原作の漫画「らんま1/2」は、水をかぶると女になってしまう高校生格闘家・早乙女乱馬と、許嫁の天道あかねを中心に繰り広げられるドタバタ格闘ラブコメディーです。1987年から1996年まで『週刊少年サンデー』で連載され、アニメ化もされた大ヒット作。本作に登場する「公紋竜」や「ルージュ」は原作漫画の後半に登場するキャラクターであり、アニメ版には未登場(またはOVAのみ)だったため、ゲームでのボイス実装や操作キャラ化は非常に貴重な資料となっています。

原作コミック『らんま1/2』
※本作独自の参戦キャラである公紋竜やルージュの活躍を確認するには、原作コミックの読破が最適解です。

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