『ハイパーオリンピック イン アトランタ』は、1996年6月28日にPlayStation向けに発売されたスポーツゲームであり、コナミの「ハイパーオリンピック」シリーズの一作として位置づけられています。本作は、1996年に開催されたアトランタオリンピックを題材としており、日本オリンピック委員会(JOC)から正式な許諾を得て「オリンピック」の名称を冠した構成となっています。シリーズとしては12年ぶりの「オリンピック」名義復活作品であり、家庭用ゲーム機向けにフルポリゴンで描かれた競技演出が導入されています。
収録されている競技は、100m走、走り幅跳び、砲丸投げ、水泳自由形、110mハードル、走り高跳び、ハンマー投げ、三段跳び、槍投げ、棒高跳び、円盤投げの計11種目で構成されています。各競技にはクオリファイ(基準記録)が設定されており、これを超えなければ次の種目に進むことができない設計です。操作体系はシリーズ伝統の連打方式を基本とし、種目によってはジャンプやターンなどのタイミング入力が求められる構造となっています。競技中はBGMが一切流れないなど、リアル志向の演出が採用されていますが、槍投げでUFOが落下するなどのユーモラスな演出も一部に含まれています1。
プレイヤーは最大4人までのマルチプレイに対応しており、マルチタップを使用することで同時対戦が可能です。選手の国籍は12か国から選択でき、アメリカ、ロシア、ドイツ、中国、キューバ、韓国、フランス、オーストラリア、カナダ、イギリス、日本、ケニアが登場します。ただし、選手名は「COM2」「COM3」などの汎用表記であり、実在選手の登場はありません。競技終了後にはポイント集計が行われ、総合得点で順位が決定される構成です。
グラフィックは当時のPlayStation水準において標準的な品質であり、選手の肌色や体格などに若干の差異が設けられています。オープニングムービーやアナウンス演出には力が入っており、競技開始前の盛り上げ要素として機能しています。一方で、ゲームモードの少なさや操作の単調さが指摘されており、やり込み要素や報酬演出の不足が評価面での課題とされています。全体としては、シリーズの伝統を継承しつつも、時代の進化に追従しきれなかった構成と位置づけられています。
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