『NBA LIVE96』は、1996年にエレクトロニック・アーツ・ビクターからPlayStation向けに発売されたバスケットボールゲームで、EA Sportsの人気シリーズ「NBA LIVE」の第2作にあたります。シリーズとしては初めてPlayStationに登場した作品であり、当時の最新技術を取り入れた意欲作として注目を集めました。
本作の最大の特徴は、EA独自の「バーチャルスタジアム」技術を採用し、3Dで描かれたコートと複数のカメラアングルによる臨場感あふれる演出が実現された点にあります。選手のグラフィックは2Dスプライトながら、立体的な視点での試合展開が可能となり、従来のバスケットボールゲームとは一線を画すビジュアル体験が提供されました。
ゲームモードには、シーズン、プレイオフ、エキシビションなどが用意されており、実在のNBAチームと選手が登場します。ただし、マイケル・ジョーダンやチャールズ・バークレーといった一部のスター選手はライセンスの都合で登場せず、代わりに隠しコマンドで再現することが可能でした。また、シリーズ初となる「フリーエージェントプール」や「選手作成」機能も導入されましたが、PlayStation版では後者が未実装となっています。
操作性はややクセがあるものの、ポストプレイやリバウンド、スティールなどの細かな動作が再現されており、当時としてはかなり本格的なバスケットボールシミュレーションとして評価されました。実況や解説は搭載されていませんが、BGMや効果音が試合のテンポを盛り上げてくれます。
アーケード的な爽快感とシミュレーション的な戦略性をバランスよく融合させた本作は、シリーズの礎を築いた重要な一本として、今なお懐かしむファンも多い作品です。
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