『パペットズー・ピロミィ』は、1996年2月16日にヒューマンよりPlayStation向けに発売された、個性的な育成シミュレーションゲームです。一見すると知育ゲームのような装いながら、実際には“異形の生命体を創造する”という強烈なコンセプトが話題を呼び、今なお語り継がれるカルト的作品となっています。

プレイヤーは、宇宙からやってきた王子「ピロミィ」とともに、「クック・ドゥードゥルタウン」という不思議な街で暮らしながら、動物のパーツを組み合わせて「パペット」と呼ばれる生き物を作り出します。パーツは頭・胴体・前脚・後脚・尻尾の5つで構成され、自由に組み合わせることで、トラの胴体にペンギンの頭、ゾウの足にカメの尻尾といった、常識を超えたキメラ生物が誕生します。

こうして作成されたパペットは、それぞれに異なる性格や好みを持ち、箱庭型のワールドに放つことで自由に生活を始めます。餌を与えたり観察したりする中でパペットたちは反応を返し、それに応じて“ハート”と呼ばれる通貨が手に入り、新たなパーツを購入することができます。このループ構造によって、より奇抜なパペットの創造へと導かれていくのです。

街には映画館や音楽施設、博物館といった遊び心あふれる施設も用意されており、パペットを寄贈することで新たなワールドが開放されるなど、探索と収集の楽しさも味わえます。全32体のパペットを作成するとエンディングイベントが発生し、物語が一区切りを迎えます。