『レッスルマニア・ジ・アーケードゲーム』は、プロレスアクションゲームで、アメリカのプロレス団体WWF(現WWE)を題材にしたアーケード作品の移植版です。実写取り込みによるレスラーのグラフィックや、常識を超えた必殺技の数々が話題を呼び、プロレスゲームというよりは“格闘ゲーム寄りの異色作”として知られています。
開発は『モータルコンバット』シリーズを手がけたチームが担当しており、その影響は随所に見られます。たとえば、アンダーテイカーが悪霊や棺を召喚したり、ドインク・ザ・クラウンが巨大な手足やハンマーで攻撃したりと、現実のプロレスではあり得ないような演出が満載です。こうした“やりすぎ”な表現が、当時のプレイヤーに強烈なインパクトを与えました。
ゲームモードは1対1の対戦形式を基本とし、トーナメントを勝ち抜いていくアーケードスタイル。ジャンプやしゃがみといった基本動作は存在せず、技の発動時にジャンプするなど、操作感も独特です。登場レスラーは実在のスーパースターたちで構成されており、ショーン・マイケルズ、ブレット・ハート、アンダーテイカー、レイザー・ラモンなど、当時のWWFを代表する面々が揃っています。
なお、スーパーファミコン版では容量の都合によりバンバン・ビガロやヨコヅナといった一部キャラクターが削除されていましたが、PlayStation版ではアーケード版に近い構成が再現されています。グラフィックや演出の再現度も高く、アーケードの雰囲気を家庭用で楽しめる一本として、今なお根強い人気を誇ります。
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