『サラブレッドブリーダーIIプラス』は、1995年11月17日にヘクトからPlayStation向けに発売された競走馬育成シミュレーションゲームで、スーパーファミコンで人気を博した『サラブレッドブリーダーII』の強化移植版にあたります。昭和39年(1964年)から平成5年(1993年)までの30年間にわたる中央競馬の歴史を追体験できる構成となっており、史実に登場した名馬たちと競い合いながら、自らの牧場を発展させていくのが目的です。
本作では、前作のエンドレスプレイ方式から一転し、30年という明確なプレイ期間が設定されており、プレイヤーはその中でどれだけの名馬を育て、どれだけの栄光を手にできるかが評価されます。シンザン、ハイセイコー、ミスターシービー、シンボリルドルフといった実在の名馬たちが登場し、時代ごとの競馬界の空気感をリアルに再現しているのも魅力のひとつです。
ゲームシステムは、繁殖牝馬の選定、種付け、調教、出走、引退といった一連の流れを管理する本格派で、調教やレースの指示には細かな戦略性が求められます。特に「追う度合い」を5段階から選べるようになったことで、馬の状態やレースの目的に応じた使い分けが可能になり、よりリアルな育成が楽しめるようになりました。
また、プレイヤー専属の騎手を育成する要素もあり、経験値や距離適性、ダート適性などのパラメータが存在します。騎手はレースを重ねることで成長し、やがては戦術的なコメントを返してくれるようになるなど、育成の手応えも十分です。さらに、レース中にリセットを行うと「八百長疑惑」として新聞記事に掲載され、騎手が騎乗停止になるなど、ユニークなペナルティも導入されています。
30年のプレイが終了すると、成績に応じた評価が下され、オーナーブリーダーとしての点数が表示されます。その後は「30年前に戻る」か「継続プレイ」を選択でき、資金を引き継いで再スタートすることも可能です。
コメントを追加