『アラビアンズ・ロスト ~The engagement on desert~』は、犯罪大国のプリンセスが「普通」の人間になるために巨額の資金稼ぎに挑むファンタジー・恋愛アドベンチャーゲーム。2007年10月11日にプロトタイプからPlayStation 2で発売されました。その後、2009年09月10日にはニンテンドーDS版が、2012年06月28日には原画を一新し新エンディングを追加したPlayStation Portable版がQuinRoseから発売されています。盗賊王の娘として英才教育を受けた主人公アイリーンは、両親から強要された悪党たちとの婚約を破棄するため、「25日間で1000万G(ゴールド)を稼ぐ」という無謀な賭けに乗ります。
ゲームプレイは、拠点となる王宮から様々な施設やダンジョンへ移動し、資金を稼ぐシミュレーションRPG形式で進行します。金策の手段は多岐にわたり、モンスターを倒してドロップアイテムを売る「冒険」、相場を読んで交易品を売買する「商人」、カジノでのギャンブル、あるいは施設でのアルバイトなどが可能です。プレイヤーは婚約者候補である5人の悪党(暗殺者、密輸商人、カジノの元締めなど)の中から同行者を選び、彼らと共に金策を行うことで好感度を上げ、恋愛関係へと発展させていきます。
本作の独自性は、主人公を含めた登場人物が「全員悪者」であるというピカレスクな世界観設定です。ファンタジーRPGの要素を取り入れつつも、世界を救うのではなく「自分の自由(と金)」のために戦う利己的な目的が物語を動かします。また、PSP版ではキャラクターの立ち絵やイベントCGがリメイクされており、より洗練されたビジュアルで、毒を含んだ甘い会話劇や、一筋縄ではいかない駆け引きを楽しむことができます。
開発元のQuinRose(クインロゼ)は、『ハートの国のアリス』などで知られる乙女ゲームブランドであり、童話やファンタジーをダークに再解釈した作風で人気を博しました。本作のアラビアンナイト風の世界観や、悪党たちの美学に興味を持った方は、千夜一夜物語(アラビアンナイト)の原典や、それをモチーフにした冒険小説などを読むことで、砂漠の国を舞台にした物語の原型をより深く楽しむことができます。













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