『スパロボ学園』は、2009年にニンテンドーDS向けに発売されたスーパーロボット大戦シリーズのスピンオフ作品であり、シリーズ初の“学園アドベンチャー×対戦型シミュレーション”という異色のジャンルに挑戦した意欲作です。プレイヤーは、軍直属の教育機関「スーパーロボット学園」に編入してきた高校生・佐伯遼駕となり、学園内で行われる仮想戦闘「スパロボバトル」を通じて仲間たちと絆を深め、やがて学園に潜む大きな謎と対峙していくことになります。

本作の最大の特徴は、従来のスパロボとは異なり、カードゲーム的な要素を取り入れた2on2の対戦型バトルシステムを採用している点です。プレイヤーはコスト制限の中でユニットを編成し、属性や地形、精神コマンドなどを駆使して戦略的に勝利を目指します。Wi-Fi通信やローカル通信による対戦機能も搭載されており、友人との駆け引きやユニット収集の楽しさが際立っています。

ストーリーは完全オリジナルで展開され、遼駕を中心に個性豊かな学園の仲間たちとの青春劇が描かれます。学園の裏に封印された妖狐「魅門」の復活を巡る事件や、恋愛・友情・陰謀が交錯するドラマは、王道ながらも熱く、時にコミカルに展開され、プレイヤーを飽きさせません。登場キャラクターたちはそれぞれに魅力的で、ヒロインたちとの関係性も物語に深みを与えています。

参戦作品は全33作品に及び、『ガンダムSEED』シリーズや『フルメタル・パニック!』『ガン×ソード』『蒼穹のファフナー』『マジンカイザー』『ゼオライマー』など、当時の人気作を中心に構成。戦闘アニメーションは『J』『W』『K』など過去の携帯機スパロボからの流用が多いものの、コンパチブルカイザーには新規アニメが用意されるなど、ファンへのサービスも忘れていません。

『スパロボ学園』は、シリーズの枠を超えた新たな試みとして、対戦と学園ドラマを融合させたユニークな作品であり、スパロボの可能性を広げた一作として記憶に残るタイトルです。