『サイキン恋シテル?』は、意中の相手の性格を「細菌(サイキン)」を使って強制的に書き換えるという、倫理観ギリギリのシステムを搭載した恋愛アドベンチャーゲーム。2009年07月30日にディースリー・パブリッシャーからニンテンドーDSで発売されました。物語の舞台は、感情を操る不思議な微生物「サイキン」が存在する世界。転校生の主人公は、偶然手に入れたこの力を使い、無愛想な先輩やチャラい同級生たちの性格を自分好みに(あるいは面白おかしく)改造しながら、学園生活と恋の成就を目指します。

ゲームプレイは、タッチペンを駆使してサイキンを培養・加工し、それをターゲットの男の子に「くっつける」ことで進行します。サイキンには「熱血」「クール」「乙女(おねえ)」など様々な属性があり、投与されたキャラクターは一時的にその性格へと変貌します。例えば、硬派な体育会系男子に「乙女菌」を付ければ内股で喋り出し、クールな優等生に「バカ菌」を付ければ陽気な単純バカになるといった具合に、劇的なギャップを楽しむことができます。この性格変化を利用して会話イベントを有利に進めたり、あるいは単に反応を楽しんだりと、プレイヤーのイタズラ心が試されるシステムです。

特筆すべきは、豪華声優陣による全力の演技と、乙女ゲームの枠をはみ出したコメディ要素です。入野自由氏や浪川大輔氏、津田健次郎氏といった実力派キャストが、普段のイメージとはかけ離れた「キャラ崩壊」寸前の演技を披露しており、そのギャップが本作最大の魅力となっています。シリアスな恋愛ドラマよりも、笑いとハプニングに満ちたドタバタ劇を楽しみたいプレイヤーに向けた、ディースリー・パブリッシャーらしい変化球タイトルとして独自の立ち位置を確立しています。

発売元のディースリー・パブリッシャーは、『ビタミン』シリーズなど個性的な乙女ゲームを数多く輩出しているメーカーです。本作のような「性格が変わる」「多重人格」といったシチュエーションに萌えや笑いを感じる方は、ジキルとハイドをテーマにした作品や、性格反転を描いたコメディ映画などを鑑賞することで、本作の持つ「変身」の面白さをより深く味わうことができるでしょう。

ジキル博士とハイド氏 (新潮文庫)

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