『ラストバレット』は、行方不明の父親を探す女子大生が、自らの狙撃手としての才能に目覚め、巨大な陰謀へと立ち向かうミステリーアドベンチャーゲーム。2009年4月23日にフリューからニンテンドーDSで発売されました。フリューにとって初の家庭用ゲーム参入作となる本作は、ライトノベル『狼と香辛料』の挿絵などで知られるイラストレーター・文倉十氏をキャラクターデザインに起用し、可憐な少女と冷徹なスナイパーライフルという対照的なモチーフを組み合わせたサスペンスドラマを描きます。物語は、主人公の響花梨が父の所属していた秘密組織「Village shrine」にスカウトされ、人を殺さずに敵を制圧する「ボランティア」としての任務に身を投じることで幕を開けます。
ゲームの目的は、アドベンチャーパートで事件の真相に迫る情報を集め、ミッションパートでターゲットを狙撃して任務を遂行することです。プレイヤーはニンテンドーDSのタッチパネルをスコープに見立て、呼吸による手ブレや風向きを計算しながら、慎重に照準を合わせてトリガーを引きます。本作の核心は、主人公が掲げる「誰も殺さない」という信念に基づく独自のクリア条件にあります。敵の命を奪うのではなく、手に持っている武器や逃走車両のタイヤといった「物」だけを正確に撃ち抜いて無力化する必要があり、一瞬の判断ミスがターゲットの死、あるいは任務失敗に直結する極限の緊張感がプレイヤーに委ねられます。
本作の最大の特徴は、ミッションの成功・失敗によって物語が枝分かれするマルチエンディングシステムと、豪華声優陣によるドラマチックな演出です。主人公の花梨役を演じる堀江由衣氏をはじめとするキャスト陣の声が物語を彩り、文倉十氏の描く透明感のあるキャラクターたちが過酷な運命に翻弄される姿を鮮烈に映し出します。単なるガンシューティングでも推理ゲームでもない、少女の葛藤と成長を主軸に据えたシネマティックな物語体験が味わえる作品となっています。
本作のキャラクターデザインを担当した文倉十氏の代表作『狼と香辛料』のイラストを中心に、同氏の繊細で温かみのあるタッチを大判サイズで堪能できる画集です。
文倉十画集 狼と香辛料













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