『UNKNOWN SOLDIER 〜木馬の咆哮〜』は、第二次世界大戦後期のヨーロッパ戦線を舞台に、苛烈なミッションへ身を投じるミリタリーアクションです。プレイヤーは大規模上陸作戦の後方支援を担う「トロイの木馬作戦」の実行部隊隊長として、3名の部下を率いて戦場を駆け抜けます。名もなき兵士たちの視点から、暗く泥臭い戦争の空気をニンテンドーDSの画面上に描き出そうと試みたTPS。

戦場の要となるのは、遮蔽物を利用した銃撃戦と小隊への指示。物陰に身を潜めて敵弾をやり過ごし、隙を突いてライフルやマシンガンで反撃に転じる、ミリタリーシューターの基本文法が組み込まれています。しかし、その戦況は極端なバランスによって支配されているのが特徴。一定時間ダメージを避ければ驚異的な速度で体力が全快する一方で、敵兵の攻撃力は異常なまでに高く設定。開けた場所へ一歩踏み出せば、四方からの銃撃やランチャーの一撃で即座に命を落とす、極めてシビアなサバイバルです。

戦場を生き抜くには、ミリタリーとしての戦術よりも敵の出現パターンを記憶する死に覚えの技術が不可欠。突如として至近距離に現れる敵兵に倒されながらも、再挑戦を繰り返して強行突破のルートを探る日々。全12のミッションが用意されているものの、使い回された3つのマップを往復することになるため、進行するにつれて戦争のスケール感は薄れていきます。戦術的な奥深さよりも、粗削りなシステムに耐え抜くプレイヤー自身の忍耐力が試される過酷な戦場。

ゲームとしての完成度には多大な課題を残す一方で、世界観の構築やキャスティングには並々ならぬ力が入っています。古谷徹、坂本真綾、宮野真守といった一線級の声優陣を起用し、殺伐とした戦場に確かな人間ドラマを付与。ニンテンドーDSというハードにおいて、リアルな頭身の兵士たちによるサードパーソン・シューティングを構築しようとした痕跡が確認できます。

第二次世界大戦におけるヨーロッパ戦線をモチーフにしており、泥臭い市街戦や隠密行動の空気を携帯機に落とし込もうとした形跡は残されています。歴史的な大戦の悲惨さや、極限状態に置かれた一兵卒の過酷な生存競争は、後に数々の映像作品でも語り継がれてきた普遍的なテーマです。

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