『仔犬でくるりん』は、画面上から次々と降ってくる犬たちをパズルのピースとして扱い、ひたすら犬小屋へと収納していくアクションパズル。プレイヤーはボーダーコリーやダックスフントといった犬種ごとのキャラクターを選び、彼らが織りなすドタバタな日常劇を追いかけながらステージを攻略していく。無機質なブロックの代わりに愛らしい犬の顔が盤面を埋め尽くすという、どこかシュールでありながらも微笑ましい光景がDSの上下画面いっぱいに展開される。

パズルの基本構造は、落下してくる2つのピースを回転させ、同色の犬を隣接させていくオーソドックスなスタイル。しかし本作の最大の特徴は、同じ色の犬を並べただけでは決して消滅しないという独自のルールにある。盤面に配置された犬たちを消し去るための起爆剤となるのが、時折降ってくる「犬小屋」ピース。青い犬たちの群れに青い犬小屋を接続させることで、彼らはようやく小屋の中へと吸い込まれ、一気にスコアへと変換される。

この「溜めてから一気に消す」というシステムが、パズル特有の爽快感を大きく増幅させている。同じ色の犬小屋同士をくっつけて巨大化させる「小屋アップ」機能を利用すれば、得点の倍率は最大で9倍にまで跳ね上がる。さらに、任意のピースを1つだけ保留できるストック機能や、必殺技「くるりんスマッシュ」など、一発逆転を狙うためのギミックも充実。対戦プレイでは大連鎖を組むことで相手の盤面に障害物である「ほね」を大量に送りつけるなど、可愛らしいパッケージからは想像もつかないほど苛烈で戦略的な思考のぶつかり合いが盤上を支配する。

エム・ティー・オー(MTO)は、1990年代から2000年代にかけて『かわいい仔犬』シリーズや『お茶犬』シリーズなど、低年齢層の女児に向けた動物系キャラクターゲームで確固たる地位を築き上げたメーカーである。本作は、そうした同社が最も得意とする「愛らしい犬」というIPを、あえて純粋な思考型パズルの駒として再構築するというアプローチによって生み出された。

単なる無機質なブロックを消す作業に、キャラクターの性格や必殺技といった人間味(犬味)を付与することで、パズルゲーム特有の冷徹な計算作業に緩やかな愛着をもたらしている。画面の中でひしめき合う犬たちの鳴き声や、ストックされた犬が待機している健気な姿。ペットシミュレーションのノウハウを持つ企業だからこそ描ける細やかな動物的エッセンスが、無慈悲な連鎖の応酬が繰り広げられるパズルの盤面に独特の温もりを与え続けている。

仔犬でくるりん

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